グレーゾーンな30代独身派遣女子の日常

30代独身派遣女子の日常

元彼に日々振り回されています

手放したい?「ライナスの毛布」共依存の彼

お題「自分にとっての「ライナスの毛布」」

 

私にはスペクトラムの友人がいる。

 

私は世間の人と

考え方や行動が少しズレているらしい。

 

去年、彼から指摘されるまでは、あまり意識したこともなかった。

ただ、そう言われて、いざ自分の人生を振り返ってみると、そんな気もする。

 

私は興味の移り変わりのスパンが早い。

 

東京で暮らすようになってから、2年と少し。

もともとはITの仕事がしたいと、30歳の時に一念発起で上京した。

 

お金が有り余っていた訳ではなかったので、その時既に東京で暮らしていた、大学時代の友人と連絡を取りルームシェアすることとなる。

 

修学旅行以来。

2度目の東京。

 

アニメ

もともとアニメ好きだった私は、都内の様々なアニメショップを巡る。

しかし、田舎ではあれほどまでに希少価値の高かった品々が、東京という土地では簡単に手に入る。

twitterの画像で憧れていた商品が目の前に。

 

途端に目の前に並ぶモノ達が、色あせて見える。

 

そうだ

私は天邪鬼なのだ。

 

あんなに欲しかったものが、手に入る状況になった途端、関心が無くなる。

 

ゲーム

初めてのIT業界。

未経験。

一ヵ月の研修期間。

 

日々詰め込まれる内容に、私は追いつくので精一杯だった。

自覚しない間に、どうやら随分追い込まれていたのか。

私は帯状疱疹となる

 

あれほど好きだったゲームも、いつの間にかやらなくなっていた

 

スイーツ

元々甘いものは好きだった。

東京には今まで雑誌やyoutubeでしか見たことのなかったような、憧れのお店が無限にある

 

最初は有名どころを点々と制覇していった

 

東京に来てから3ヵ月

私は職場で友人が出来る

 

グルメな人だった

東京暮らしも長い人

 

私は彼と一緒に様々なスイーツ店を巡った

 

1人では行かないような

高級なお店

カップルばかりのお店

行列の長いお店

 

食の趣向が似通っていた

私は彼との出会いを切欠に

様々な世界へ足を突っ込むようになる

 

読書

彼は本をよく読む人らしい。

引っ越しをするということで、大量の本を処分しているとのことだった。

彼から、それらの内いくつかを拝借するという話にはならなかった。

そこまで仲が良い訳ではなかったのだ。

 

ただある日、一緒にスイーツ巡りをしていた日

あれはたしか東京駅近くでアップルパイを食べた帰り道

近くの本屋でも寄って行こうかという話になった

 

最初は漫画でも…と、漫画コーナを練り歩いた。

「この漫画読んでる」「これアニメ化したらしいね」最初はそんな、当たり障りない会話。

ただ、そこからも趣味趣向とういものは分かってくる。

 

気が付いた時、

私達はいつの間にか小説コーナにいた。

 

彼は宗教や歴史、日本文学が好きだった。

 

私は世間の同世代より

本を読む方だと自負がある。

ただ日本文学は「難しそう…」という意識から、どうも今まで手が伸びなかった。

 

彼は数ある本の中から『金閣寺』を薦めてくれた

 

名前は知っている

読んだことは無い

ストーリも知らない

 

ただ、彼の紹介や解説を聞いていると、興味が湧いた

 

私は一週間後

その本を購入していた。

 

内容は難しかった。

読むのに3日間かかった。

 

感想:

凄く面白かった。綺麗な文章で綴られたそれは、とても共感する考え方が多かった。今まで自分の言葉では言い表せなかった感情が、そこには理路整然と広がっていた。

 

それから私は日本文学というものに陶酔する。

幾つもの本を買い漁る。

彼と内容について考察する。

共感出来る部分が多かった。

 

昔の文豪は精神疾患の人が多いそう。

そんな彼らの文章は、自分の中のもどかしさが綺麗に表現されており、いつからか自分を知る重要な材料と化していた。

 

読むほどに、考察するほどに

 

彼と私が似ていることに気付く

 

今までの生き辛さ、疑問を、彼は理解してくれる。共感してくれる。

私達は段々と、お互いに溺れてゆく。

 

これを世間では共依存と言うのだろうか。

 

私が彼を手放せる日は来るだろうか…

私は彼という「ライナスの毛布」を手放したいのだろうか…