武蔵小杉散策旅、日本酒『久礼』との出会い
節約ばかりの日々を送る私だが、最近、ルームメイトに誘われて武蔵小杉を散策してきた。
交通費がもったいないと、しばらく電車に乗ることも控えていた自分にとっては、久しぶりの遠出。車窓から眺める景色は、プチ旅行でも始まるような高揚感を沸き立たせてくれる。
通勤していた頃は、すし詰めで、どんよりとした空気が漂っていた車内も、平日はどこか落ち着いた、長閑な雰囲気。ラッシュ時間特有の焦燥感はなく、木漏れ日の心地よさに軽い欠伸が1つ。
クレープ
そんな暖かな時間を楽しみつつ、駅に降り立った私達が、最初に向かうのはクレープ屋さん。
目に映る、赤いイチゴ。ふんわりホイップされた生クリーム。一口頬張ると、モチモチした触感に甘酸っぱい果実が弾ける。
家で食べるお菓子たちも勿論美味しいし、それなりに幸福な時間を過ごしていたが、外で食べるスイーツというものは、こんなにも充実感に満たされるのかと感動。
商店街
満たされたお腹のまま、次は、ぶらぶらと商店街の散策へ。
穏やかな町の雰囲気は、どこか懐かしさを感じさせてくれる。ふと目に入った八百屋さんで、綺麗に並んだ苺を見ては、先ほどのクレープの味を再現していると、小さい頃に家族で過ごした日曜日へ束の間のタイムスリップでも出来そうな錯覚に陥る。
昔を懐かしみつつ、今、この瞬間が永遠に続けば良いのにと願わずにはいられない。
歩む速度は次第にゆっくりと。のんびりと。
日本酒
日も段々と沈みだし、町も夕暮れに染まる頃。
久しぶりに居酒屋で一杯ひっかけたくなった私たちは、せっかくならばと旅の締めに、日本酒に力を入れているというお店を訪れることに。
甘い日本酒でお勧めを訊いてみると、紹介されたのは高知のお酒「久礼」。メロンを思わせる甘い香りで、ラベルにもそのイメージ通りにメロンの模様が刻まれている。
飲みやすく、豊かな香り。
一緒に頼んだおでんの大根や餅巾着との相性も良い。
節約節約と切り詰めた生活をしていたつもりはないが、いつの間にか遠ざけていた自分へのご褒美習慣。どうしても節制している時は、未来ばかりに意識を向けがちだ。しかし、今を生きるということの大事さを痛感した散策旅だった。