彼中心の世界から、ある日突然追い出されてしまった私
元彼が実家に帰省するということで、週末の予定がなくなってしまった。
都内は本日、雨らしい。もともとインドアで節約にハマっている最近の私は、自分1人のためにどこかへ…という気も起きない。
久しぶりの外食は心躍るが、美味しさを誰と共有するでもなく、もくもくと食べる食事はどこか満足感に劣り、寂しく感じる。
元彼と付き合うまでは、むしろ自分のペースで、自分の好きなモノを食べられることこそ至極と思えていたのに。人の考え方は変わるものらしい。
日帰りのプチ旅行も、同じだ。誰かと、喜びや楽しさを共有したくなってしまう。
どうしても使ったお金や時間に足る、幸福感を得られる自信がなく、行動に制限がかかってしまっている。
さて、どうするべきか。
こんな状態をずっと続けていても、彼に依存してしまう状況から抜け出せないのは理解しているのだ。
少し前までは、あれほど初めて立ち寄るカフェでの珈琲とケーキを嗜む時間を楽しんでいたというのに。もう、あの頃の感覚には戻れないのだろうか。
もうすぐ都内で、とある個展が開催されるという情報がTwitterでまわってきた。
私には、一時期、古典や美術館巡りにハマっていた時がある。久しぶりに行ってみようか。こういうのは、元彼がいない方が楽しめる気がする。
行動しなくては、ならないのだ。
古着屋巡りも好きだったのに、いつからか「見せる人もいないのに、新しい服を買ってもな…」と考えるようになってしまっていた。当初は、普段通う大型ショッピングモールではお見掛けできない、素敵な商品との巡り合いが楽しかったのに。いつの間にか、彼に評価されることが目的になっている。
こんなことでは駄目なのだ。
いつからか、自分の生活が彼中心になっている。
そんな私になってしまうことが嫌で、私はそういうタイプだと理解していたから、人とは距離を置いていたのに。こんなことになってしまうんだから、彼に心なんて開くべきではなかった。
外の空気にでも感じに行こう。