グレーゾーンの私が学生時代に悩んでいたこと
私は昔から、誰かにのめり込むのが怖い。
だから意図的に他人とは距離を置くし、自分の本心を見せないようにしていた。
自分に自信がない。本当の自分を見せると嫌われる、皆が私から離れてゆく。小さい頃から、なぜかそういう思い込みがある。
本当はそんなことないのかもしれない。
でも、そんなあるかもしれない現実を信じることが出来ない。
友人の告白
学生の頃は、広く浅くの交友関係を築いていた。どこかのグループから仲間外れになった時のために、オタクも不良もない、全てのグループに属していた。その時その時、求められるグループを点々としてゆく日々。渡り鳥のような生活を送っていた。
高校の頃「貴方は本心を見せてくれない。そんなに私のことが信用できないのか?」と、友達伝いに話を聞いたことがあった。
彼女は女学生特有の、お互いだけの秘密を共有し、他の人には言えない悩みを相談し合うような仲を望んでいたのだと思う。
しかし、私は当時、それほどの秘密も悩みも持ち合わせていなかった。
私は、昔から他人にあまり期待しない。だから期待を裏切られることもなければ、失望することもない。
他人に相談して解決することならば、我先にと相談するだろう。しかし、ほとんどの問題は、友人に相談することで良い方向に進むことは少ない。勿論、誰かと悩みを共有することで、気持ちが楽になる人もいるだろう。ただ、私はそういう類の人間ではないのだ。
母の告白
しかし数年後、友人と同じような告白を母からも聞くこととなる。
「人に相談するだけでも気持ちが楽になることがあるでしょう。なんで1人で抱え込もうとするの」
ああ、なぜ皆、私には貴方達に見せない本心があると思い込むのか。私は別に、何か隠しているわけでは無い。存在しない私を求められることが辛かった。期待に応えられない自分が悲しかった。
誰かにのめり込むのが怖い。
誰かに捨てられるのが怖い。
自分の本音に蓋をする生活を続ける日々が長かった。どうやら私はそのせいで、自分の本音というものが分からない人間になってしまったようだ。