グレーゾーンな30代独身派遣女子の日常

30代独身派遣女子の日常

元彼に日々振り回されています

正しく生きるという呪縛

:私がとらわれていた「しなきゃ」

 

私は昔から

正しく生きるということに固執している

 

ポイ捨てをしてはいけない

嘘をついてはいけない

約束は守らないといけない

 

仕事をサボってはいけない

体調管理は社会人の義務

 

上長が帰るまで帰宅してはいけない

 

グラスを空けてはいけない

 

いつも笑顔で

理不尽にも愚痴は言わず

 

清く・正しく・美しく

 

年齢を重ねるほどに

増え続ける縛り

 

どんどんと生きづらくなる人生

 

そして

段々と乖離してゆく自己

 

周りは仕事をさぼってる

適当に生きている

 

そんな人達に対して

ズルいとは感じない。

 

ただ、正しくないと感じる。

 

ずっと模範となる社員を演じてきた。

 

ある日、

帯状疱疹になった。

 

「そんなにストレスを感じていたのか」

 

自分に対しての第一声は、それだった。

 

ただ、何が辛いのかは分からなかった。

 

だから改善方法も分からぬまま

私は仕事を続けた。

 

食欲が無くなった

異常な食欲が続くようになった

 

寝れなくなる

 

頭が回らなくなる

 

世界がグラグラする

 

吐き気が止まらない

 

それでも

私は自分が出すアラートに気付かない

 

お昼休憩中

ぽたぽたっと涙が出た

 

でも、何故か分からなかった。

 

仕事の負荷が高すぎる?

先輩からのイビりが辛い?

 

頼れる人がいないから?

残業が多いから?

慣れない土地が不安?

 

原因なんて無限に思いつく

だから何だ

そんなの社会人なら、皆が耐えている

私はストレス耐性が弱いのだ

だからこんなことになっている

もっと自分を鍛えないと

 

職場以外の友人から

怖がられるようになった

 

自分はおかしくなってしまったのだろうか

 

私は交友関係が非常に狭い。

そんな中で、1人だけ、信頼できる人がいた。

 

「ちょっと相談があるから、会いませんか?」

 

私は慣れない文句で

友人を誘い出した。

 

「仕事が辛い…」

 

私は、ぽつぽつと友人に相談した。

話を聞いた友人は

 

「話してくれて、ありがとう。

お礼に、ここで食べていかないか」

 

と、凄くお洒落なアフタヌーンティーに誘ってくれた。

 

周りはカップルばかり。

小綺麗な恰好をしている。

 

マナーも何も分からない自分だが、

友人は、そんな自分を笑うでもなく、ただ楽しませてくれた。

 

そして

食事を食べ終えて

さあ、店を出ようという時…

 

「携帯出して」

 

と言われた。

何故?とは思うも、特に疑うこともなく、携帯をテーブルに差し出す私。

 

「ここで会社に退職すると伝えて」

 

「終わるまで

店からは出ない」

 

ニコニコした表情だが、強い意思を感じる。

 

 

「仕事やめた方がいいんじゃない?」

 

そんなことを言われることは

度々あった。

だが、こんな展開は初めてだ。

結局

私はこの日、決断を下せなかった。

 

でも、この出来事が切欠で、私は一週間後に会社に休職の意思を告げた。

 

最終出勤日

私は布団から起き上がれなくなった。

 

間に合ったような

間に合わなかったような

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それからの私は心療内科へ通うこととなる。

 

薬を飲むことで

頭痛や吐き気が収まった。

 

そして

怖いくらいに

何に対しても感情の起伏がなくなる

 

正しく生きるとは何だろうか