グレーゾーンな30代独身派遣女子の日常

30代独身派遣女子の日常

元彼に日々振り回されています

アヒルの恋愛観

私は理想が高いのか低いのか

自分では判断がつかない。

 

世間の皆、そんなものなのだろうか

 

今まで好きな人が出来たことがなかったわけではない。

 

ただ、今まで良いなと思った人を

横一列に並べてみた時。

全くと言っていいほど統一性がないのだ。

 

初めて良いなと思った人は

積極的な人だった。

 

接客業をしていた私のもとへ

よく話しに来ていた。

 

何か特別なことを話すでもない。

 

話す内容に中身が無さ過ぎて

今、思い出そうとしても思い出せない。

 

でも、多分、

 

「仕事どう?」

「疲れてない?」

 

そんな労いなのか何なのか

よく分からない言葉から始まり

 

店舗の前を行き交う人々について話しをして

 

そんなだったように思う。

 

 

最初は、この人、暇なのかなぐらいの印象。

 

その内、こういう風に話してると時間経つの早くていいなと考えるようになり

 

いつの間にか、一緒に話しているのが楽しくなっていた。

 

可愛く見られたいと思うようになり、

自分なりの可愛い服を着るようになった。

 

ある日。

 

全体的に白にまとめたコーディネート

 

「ウエディングドレスみたい」

「花嫁さんみたいだね」

 

そんな誉め言葉?を賜った。

 

可愛い

 

とも、言ってくれた。

 

そんな言葉に、

私は勝手に相手との結婚式を思い描き

 

舞い上がった。

 

 

休みの日に一緒に遊びに行くとか

そんなことは1度もなかった。

 

ただ、彼が職場に遊びに来て、少し話すだけ。

 

たまに、仕事終わりに職場の外で話すことはあった。

 

でも、そのままホテルに行くとか、付き合おうとか、そういう感じではなかった。

 

私も、そういうことは望んでなかった。

 

ピュアだったのだろうか。

 

ただそうして

少し話す時間が楽しかった。

 

また明日も

同じような時間を過ごせることを

望んでいた。

 

そんなある日、

彼から

実は結婚していると告白された。

 

それと同時に

「駄目?」

と言われた。

 

キスしようと、してきていた。

 

「いやいやいや…

駄目だろう!」

 

言葉ではもう少しやんわりと、

しかし断った。

 

奥様がいる人と

そういう関係になるのはいけない

 

私は、そういう倫理観が人一倍強かった。

 

正しく生きることに

異常なほどに

執着していた。

 

不倫は良くないこと

 

私が自分の中で芽生えかけた恋を終わらせるのには、十分な理由だった。

 

 

 

 

「でも俺、これが初めてじゃないよ。

 

嫁は、俺が別の所で遊んでるの知ってる。

 

だけど何も言わない。

 

だから君が何か不利益を被ることはないよ。

 

安心していい。」

 

 

その後も色々説得された。

いや、そんなん安心材料にならんだろ。

 

既婚者。

 

彼がそうだと知ってからは、

 

話さない

目も合わさない

 

私達の関係は自然に消滅した。

 

これで、良かった。

 

これが正しい。

 

 

辛くなかったかと訊かれたら

 

「私が辛いかどうかは関係ない」

 

そう答える。

 

私の感情になんて意味はない。

不倫は良くないこと

 

 

 

ただ、それだけだ。