グレーゾーンな30代独身派遣女子の日常

30代独身派遣女子の日常

元彼に日々振り回されています

適応障害になった私に、仕事を休職させるための説得方法

私はIT業界で働いている。

以前、現場で体調を崩し「適応障害」の診断を受けた。

仕事自体は、それほど苦痛を伴っていたわけでは無い。

 

主な原因は人間関係だった。

 

私は、現場のある先輩に嫌われていたのか何なのか、とてもイビられていた。彼の専売特許である業務を、上長が彼を通さずに私へ振ったことが、多分、プライド的に許さなかったのだろう。

 

そんなことが続いて、だんだんと業務中に頭痛が起きるようになってきた。パソコンを見ていると、吐き気が起こる。体がグラグラ揺れている状態が常だった。

 

ある日、あまりにも耐えきれない頭痛に病院へ行くと「適応障害」の診断を受けた。

 

薬を飲むと、それまでの症状が嘘のように調子が良くなる。

しかし薬が切れると、一気に頭痛がぶり返す。

 

それだけの体の異変が出ているのに、私は仕事を辞めるということに抵抗があった。いつもそうだ。自分でも、何を守っているのか、よく分からない。ただ、仕事を自分都合で辞めるということに、昔から強い拒否感があるのだ。

 

そんな状況を見ていた友人が「そんなことを続けていたら、そもそも働けない体になる。IT業界を去らざるを得なくなる。だからひとまず、今の現場を抜けて休め」と私を説得した。

 

この時に、説得材料として渡されたのが、彼の職務経歴書だった。

そこに並ぶのは、IT人としての煌びやかな経歴。これを見れば、どんな会社の人間も喉から手が出るほどに彼を求めるだろう。

 

「自分も仕事をしていない期間があった。でも、いくらでもやる気次第で挽回出来る。会社員人生は長い。だから、今は休め」

 

そうだ。

このままでは、もう働けなくなってしまう。

私は休職することを決めた。

 

そこから1か月の休職期間を経て、私は別の現場へ。

 

あの時、彼に説得されなければ、私は限界の底に落ちていただろう。彼の説得方法は、後にも先にも例を見ないが、あの瞬間、私を動かすにはあの方法以外になかっただろうと思う。

 

人は必要な時に、必要な人に会うという言葉を耳にするが、きっと彼との出会いはそういうことだったのだろうなと思う。