グレーゾーンな30代独身派遣女子の日常

30代独身派遣女子の日常

元彼に日々振り回されています

次の配属予定現場のリーダーが元彼と瓜二つで、気まずいことこの上ない

私はITの派遣会社で働いている。

今は、次の現場先が決めるまで、束の間の自宅待機中。

 

そろそろ次回配属先の方向性も決まって来たし、勉強用の本でも新調しようかと本屋を物色していたところ、突如携帯の電話が鳴る。

 

「前回面談したところがOK出ました」

 

なんと。この何のしがらみもない小休止も終わってしまう時が来たようだ。それにしても、あの会社か。そう、ここの会社、現場リーダーが元彼にそっくりなのだ。顔や体型、喋り方や考え方までも。

 

だから面談の時は、このリーダーが求める社員像や受け答えが手に取るように分かった。

 

ああ、こういう返しを求めてるんだろうな。

ああ、こういう考え方を求めてるんだろうな。

 

彼は、元彼が私へ好意を持つ前にそっくりだった。

 

元彼は、仕事人間で理屈っぽい人だった。IT業界のリーダー層に多いタイプなんだろうか。付き合うようになって、1年ほどで、彼は少しずつ人間の心を持つようになった。そして感情的なやり取りが増えるようになった。

 

 

現場リーダーは、圧迫面接という程でもない、しかし「ここの現場は大変だ」「君は能力値が低い」ということを認識させるような話し方だった。

 

ここも、元彼によく似ている。

 

私が配属して1日目。皆で歓迎会含めたランチをとっていた時、「異業種からの飛び込みだと、きっと大変だ。無理だと思ったら、すぐに抜けたらいい。それは別に、自分が弱いとかそういうのではない。人間、向き不向きがあるから。君にはITが向かなかったというだけ。まだ若いから、どうとでもなる。」そんなことを言われた。

 

これから、この現場で頑張ろうという人間に対して、なんてことを言うんだ。でも、これは彼なりの優しさなのだろう。嫌な気持ちはしなかった。ただ、人の気持ちが分からない人なんだな、そんな風に思ったものだ。

 

 

そんな元彼そっくりのリーダーがいる現場から、OKの返事が来てしまった。

 

なんてことだ。

 

なんとなく、凄く気まずい。

 

それにこの現場、私にだって分かる。自分の能力値以上の現場なのだ。なんで受かってしまったのか。断りたい。でも、ここの現場は他の案件に比べて、単価が高そうだから、きっと営業は切らないだろう。

 

雇われ側としては、特に出来ることもない。万事休す。八方塞がり。