私はスペクトラム?会社の飲み会で起こる、次々のトラブル①
「君はスペクトラムなんじゃないか。」
そんなことを彼氏から言われた。
初めて聞いた単語。周りから変わっているとか、行動が読めないと言われることは多々あった。
それは、私がスペクトラムだからなのだろうか。
- 過集中
- こだわりが強い
- 他人の気持ちがよく分からない
- 興味の有り・無しが激しい
- 倫理観が少しずれている
私の特徴は、こんな感じだ。本やネットで調べてみると、当てはまるような。当てはまらないような。
今までの人生で生き辛さを感じてきたかと問われると、そんなこともないではない。
でも、自分が感じる生き辛さなんてものは、世間の皆も感じていて。生きるということは、そういうものなんだろう、そう考えていた。
ただ、彼からそんな指摘をされてから、あらためて自分の人生を振り返ってみると、確かに上京してから、異常にトラブルへ巻き込まれることが多かった。
私はそれを、都会という環境のせいにしていた。都会は怖いところだと、昔から言うではないか。
そんな迷信じみたものを、私は本気で信じていた。
今、私は東京でルームシェアをしている。
特に喧嘩もない。ただ、たまに注意を受けることはあった。
暑いから窓を開けっぱなしで寝ていた
ルームメイトから危ないと言われた。
田舎だと、ドアや窓を開けっぱなしなんてよくあることだ。
でもそうか、ここは都会。どんな人がいるか分からない。ルームメイトも田舎出身だというのに、彼女も都会に染まったものだ。
それからの私は、暑いときはクーラーをつけるようになった。
会社の飲み会後、千鳥足で家に帰宅したことがあった
ルームメイトと顔を合わせると、最初は少し驚いたような表情。次の瞬間には怒られた。
「なんで外でそんなベロベロになるまで、飲むの!危ない!」
確かに、飲みすぎて膝に力が入らない。思考もぼんやりする。確かに、変な人にむりやり襲われたら、今の私は抵抗出来ないだろう。
でも、私はそんなに可愛くない。スタイルも良くない。誰が私なんて襲うのか。
「私は襲われたりしない」
そんな妙な自信があった。ルームメイトに対しては、ごめんねと謝った。ただ、それからも私の飲み方が大きく変わることはなかった。
だからそれから一ヵ月もせず
私は会社の先輩と2人きりで飲みに行った
そこで、少し怖い思いをした。
付き合おう、結婚しようと、強く迫られた。頷かないと帰れないような雰囲気だった。
なんとか何事もなく家に帰ることは出来たのだが、怖かったのか、家で1人泣いているところをルームメイトに見られた。
事情を説明すると、やっぱり怒られた。
「なんで恋人でもない異性と、そんな二人きりで飲むの!危ない!」
彼女の主張はもっともだ。でも、そんな強引な人だとは思わなかったのだ。それに、少しいい人だとも思っていた。だから状況次第では、付き合ってみてもいいかもなんて考えもあった。
あんな突然でなければ、私にもその気があったのだ。
ルームメイトの言うことは分かる。ただ、そんな守りの姿勢では、恋人なんて作れない。
そしてそれからまた、半年も経たない頃。
私は別の男性と2人きりで飲みに行く
会社でのイビりが酷く自律神経を壊してしまった私は、休職することになった。
その時に、最後に飲みに行こうと同僚が誘ってくれたのだ。
全く警戒心は無かった。いきなり休職するために、同僚に負荷がかかってしまうかも。誘われた時は、申し訳なさしかなかった。
「君がそんなに辛かったとは気付けなかった。ごめんね。」
飲み始めて最初の内は、そんな感じだった。
「ほら、もっと食べな。これは?好き?」
店員が持ってくる肉や魚を盛りつけた皿を、私が取りやすいように移動させる同僚。ともなって私との距離は次第に近付いてゆく。
膝が触れるような距離になって初めて、ふと違和感を感じた。
だがしかし、食べ物の入った皿が私の目の前にあるのだ。それを取るために、皿との距離を詰める結果の出来事と考えれば、自然な行動のようにも思える。
同僚の手が、私の服を弄び出す。
やっぱりおかしい?
でも、暇なときにおしぼりで手遊びをするなんてことは、誰しも経験があるだろう。同僚も、それくらいのつもりなのでは。
私には危機感というものが驚くほどにない。