自分がスペクトラムだと自覚した日。友人との猿島日帰り旅行
私が仕事で自律神経を崩してしまった時、
友人が気分転換にと猿島への日帰り旅行へ誘ってくれた。
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東京に上京して間もなかった頃。
職場で出来た、初めての友人。
私は最近話題の、交友関係リセット人間だ。
狭い狭い交友関係の中
後にも先にも、上京して出来た友人はこの1人
少しミリオタを齧っている私。
そんな私に引くことなく、
こんな場所があるんだと教えてくれた友人。
ただ少し距離があるからと
当時すぐに一緒に行こうという雰囲気にはならなかった。
次第に体調を崩す私
休職すべきだろうかと悩んでいた
体が限界の音を上げているのは自覚していた
ただ、どうにも踏ん切りがつかない
そんな時
彼は猿島へのプチ旅行へ誘ってくれた
都会のコンクリートジャングルで暮らす日々
そこは、久しぶりに田舎に戻ったような光景が広がっていた
田舎の何もないところが嫌いだった
遊び場もない
店もない
イベントもない
ただ、そんな過去に戻りなくなっている自分がいることに、この海に囲まれた世界で気が付いた。
友人と一緒に島を探検し
記念写真を撮る
波の揺らぎを眺めながら
色んな話をした
心が凄く落ち着いた
その時、彼から君はスペクトラムなんじゃないかと言われた。
そして、彼自身が自分のことをスペクトラムであると思うと告白された。
スペクトラム障害
初めて聞く単語だった。
話しを聞いていると、何となく当てはまるような気もした。彼は私の仕事の仕方や考え方から、そう感じたらしい。
過集中。
倫理観がどこかずれている。
人の気持ちが読めないことが多い。
そんな私。
スペクトラムなのかもしれない。
でも、そんなことより、彼と異常な程に話が合う。考え方が同じ。そこに揺るぎない枠組み?理由?が出来たことが嬉しかった。
他の人とは違う。
私と彼は仲間。
他の人とでは
お互いこうはならない。
彼は、長年生きてきて、君みたいな人とは初めて会ったと言ってくれた。
嬉しかった。
どこか認められたような、そんな気持ち。
この瞬間に勝る出来事は、今もまだない。
帰りに海軍カレーを食べた。
少しピリ辛。
お洒落な空間。
自律神経を崩して、食欲があまり出ない私。
でも、あの時のカレーはとても美味しかった。
ゆっくりゆっくり
スプーンを口に運ぶ。
彼は穏やかに私のことを見ていた。
彼は胃がバグっている。
スラっとした見た目に反して、3人前くらい平気に平らげる人だ。
でも、私のペースに合わせてゆっくりゆっくり食べていた。
「美味しいね。
食べれるだけ食べな…」
彼は私と違うカレーを選んでいた。
味変と言って、彼の皿に盛られたカレーを少し分けてくれた。
美味しかった。
この1日のおかげで、体調が戻るといったような奇跡は起きない。
ただ、この1日は私の中で大切な思い出だ。
東京に来て、初めて良かったと思えた日だった。